Page 1 failed to load.
masamibdsm - 拘束研究会はふたりの秘密
Up next
AgentRedGirl - [Complete Animation] All My Roommates Love 2 - Episode 2
About This Title
「尚美《なおみ》ちゃん……明日、忘れないでね」
帰宅しようとしていた私を呼び止め、諒子《りょうこ》さんが耳打ちした。
拘束研究会とは、1年先輩の諒子さんと私が所属しているサークルである。
もっとも研究会を称しているが、学園に認められているわけではない。そもそも、認可を得るための届けを出してもいない。
私を拘束することが好きな諒子さんと、諒子さんに拘束されることが好きな私が、秘密にやっているふたりだけのサークルだ。
明日は、そんな拘束研究会の、ひと月に一度の活動日なのだ。
「忘れるわけがありません……私も楽しみにしてますから」
私が答えると、諒子さんが妖しい光を宿した目を細めた。
紺のブレザーと白いブラウス、青系チェック柄のプリーツスカート姿の諒子さんが、革の拘束具をテーブルの上に並べていく。
数えきれないほど大量の、ぶ厚く頑丈そうな革ベルト。
縁に長いベルトが2本、バックルつきの短いベルトが2本、合計4本のベルトが設えられた二等辺三角形の革袋は、腕の拘束具、アームバインダー。
被装着者にバレエのポワントのようなつま先立ちを強制する、バレエヒールのブーツ。
革のコルセットと、セットの首の拘束具、ネックコルセット。
コルセットからガーターで吊るタイプの、スパンデックス製のストッキング。
そのようすを横目で見ながら、私も準備を始める。
鞄から取り出したのは、中学時代の制服。襟とカフスに3本の白いラインが入った濃紺のセーラー上衣とプリーツスカートを、諒子さんが拘束具を並べるテーブル横のソファーの上に置いた。
諒子さんは拘束マニアであると同時に、制服フェチでもある。拘束研究会の活動のときは、自分だけでじゃなく、私にも制服を着用させる。
もちろん、嫌じゃない。
むしろ、倒錯感が増して気持ちが昂ぶる。
だからこそ私は、セーラー服が似合うよう当時の髪型と髪色を維持し続けているのだ。
自分自身で用意したセーラー服を見て期待感を高めつつ、着てきた服を脱いで下着姿になる。
上下お揃いのブラとショーツ。
一般女性も身に着けるふつうの下着のあいだには、ウエストをきつく締めあげくびらせるコルセット。
ショーツの下には、コルセットを締めた状態で、ウエストのもっとも細いところに横ベルトがかかる貞操帯。
その貞操帯の鍵は、諒子さんが保管している。鍵を管理する諒子さんの許しなく、勝手に貞操帯を外すことはできない。
それはすなわち、私の意思ではコルセットを脱ぐことも、緩めることもできないという意味でもある。
貞操帯を施錠する南京錠の小さな鍵ひとつで、私の日常は諒子さんに支配されている。
ブラとショーツを脱いで貞操帯に触れ、あらためてそうと認識させられていると、拘束具を並べ終えた諒子さんが私の前に立った。
「うふふ……」
薄く嗤って、諒子さんが私の胸に手を伸ばす。
「ん、あ……」
学園に進学したのを機に水泳競技を引退して以来1サイズ大きくなった胸の頂、乳首を穿ち貫くピアスを弄られ、甘みを帯びた吐息を漏らしたところで、諒子さんが貞操帯の鍵を取り出した。
カチリ。
小さな金属音ともに、南京錠が外される。
「ああ……」
長らく密封されていた性器が外気に触れる感触に、思わず吐息を漏らしてしまう。
「ふっ、はあ……」
コルセットをくつろげられて、久しぶりに大きく息を吸って吐く。
とはいえ諒子さんの目的は、貞操帯とコルセットから、私を解放することではない。
ふだん使いのコルセットが外されてすぐ、諒子さんが用意していた革製コルセットがお腹に巻きつけられた。
バスクと呼ばれる金具が前側で留められ、コルセット上端がバージスライン(乳房の下端)にあたるよう位置を調整されて、背中側で編み上げ紐の締め込みが始まる。
促されてソファーの背もたれに手を置いた直後、ギューッとひと絞り。
「うッ」
きつい締め込みにうめくが、それで諒子さんの手が止まることはない。
指で編み上げ紐の弛みを直して、さらにひと締め。
「うぅ……」
眉間に皺を寄せて苦悶しても、諒子さんは赦してくれない。
私のふだん使いのコルセットはフルクローズ(編み上げが閉じ切った状態)21インチ(約52センチ)で、貞操帯の横ベルトも、その寸法に合わせて誂えられている。
だが、諒子さんの革製コルセットは、フルクローズ18インチ(約45センチ)。拘束研究活動用の貞操帯は、それに合わせて作られている。
つまり、ギリギリまで締め込んだサイズからさらに約7センチ、ウエストを締めあげないと拘束研究活動を開始できないのだ。
「くっ、ぅう……」
きつい、きつい。
単にお腹が苦しいだけじゃなく、胸郭の下半分が締められることで、深く大きく息を吸い込めなくなる。
それでも締め込みは終わらず。
「あと少し、厳しくいくわよ」
「は、はい、諒子さ……うッ!?」
さらにきつく締めあげられて、ようやく革コルセットがフルクローズ。編み上げ紐が固く結ばれた。
きつい。そして苦しい。
とはいえ、いまだ装具のひとつが着けられただけ。
諒子さんの手による設えは、まだまだこれから。
厚手のスパンデックスのストッキングを履かせ、ずり落ちないようコルセットに設えられたガーターで吊って、諒子さんが妖しく輝く目で私を見る。
続いて着けられるのは、ネックコルセットだ。
ぶ厚く硬い革で仕立てられたそれは、私の乳房の上端から首を経て、口を塞いで鼻のすぐ下までを覆うタイプ。
装着されたら顎を固定されまともに喋れず、縦にも横にも首を動かせなくなり、視線以外の意思疎通の手段を奪われる代物だ。
「うふふ……」
そのネックコルセットが着けられる前に、諒子さんがいじわるく嗤って自分のショーツを脱ぎ始めた。
「尚美ちゃんのために、昨日から穿き替えてないのよ」
そして脱いだショーツを、汚れた股布が表になるよう丸め、私の顔前にかざした。
「アーンして」
たぶん、いやきっと、口中に詰めるつもりだ。
そうと知っていながら、ためらうことなく口を開くと、股布が舌に当たるようショーツを口中に押し込まれた。
「あッう……」
うめいたところで、諒子さんがネックコルセットを手に取った。
身体の前面に――もちろん口にも――硬くぶ厚い革が押し当てられる。
そして背面で始まる、肩甲骨のあたりから後頭部にかけての編み上げの締め込み。
通常なら首が絞まりすぎないよう調整しながら締め込まないといけないが、このネックコルセットは私に合わせて誂えられた専用品。フルクローズまで締めるだけで、呼吸や血流を阻害することなく、私の首を固定することができる。
そのことを知っている諒子さんが、いっさいの迷いなくネックコルセットの編み上げを締めあげる。
締められるほどに、首の自由が失われる。
顎の動きも制限され、口中に詰め込まれたショーツと相まって、私から言葉を奪っていく。
「ン、んう……」
発したはずの言葉が意味不明なうめき声にしかならない状態に陥ったところで、首も完全に固定され、ネックコルセットの装着が完了した。
残る拘束具は、無数のベルトとアームバインダーに、バレエヒールのブーツ。
テーブルの上の拘束具を見ていると、諒子さんが私の背後に背もたれのない椅子を置いた。
「これに腰かけて」
言われて、きつく苦しいコルセットにお腹を圧迫されないよう、背すじを伸ばしたまま落ち着いた動作で椅子に腰を下ろす。
そこで、バレエヒールのブーツを手に、諒子さんが私の前にしゃがみ込んだ。
諒子さんに促され、ウエストと首のコルセットと同様、私専用に誂えられたブーツに足を差し込む。
すると、まだブーツを履いていないほうの脚より、膝の位置が20センチほど高くなった。
その差が、バレエブーツのヒール高。
そうと実感する私のもう一方の足にもブーツを履かせ、諒子さんが縁に長短4本のベルトが設えられた二等辺三角形の革袋、アームバインダーを手に取った。
開口部のある底辺から頂点付近にかけての編み上げをくつろげながら、諒子さんが私の背後に回り込む。
腕を拘束されことを覚悟した私は、命じられるまでもなく両手を背中に回してまっすぐ揃える。
その腕に、革袋が被せられた。
二等辺三角形の頂点の行き止まりに指先が当たり、底辺が二の腕の半ばに達したところで、縁に設えられていたベルトが、右腋の下から身体の前面に引き出される。
頑丈そうなベルトが胸の上を斜めに引き上げられ、首の横を通って左肩から再び背中へ戻されて、短いベルトのバックルに留められる。
それから、もう1本の長いベルトが左腋から引き出され、最初のベルトと交差し胸の上にX字を描いて右肩から背中。
こちらも短いベルトのバックルに留められると、私の腕を閉じ込めるアームバインダーは、けっして下にずり落ちなくなった。
両手はぶ厚い革袋の中で、まったく使えない。これで、腕の自由は奪われた。
とはいえ、アームバインダーの拘束は、ここからが本番だ。
「胸を張り、肩を後ろ側にすぼめながら、左右の肘どうしをくっつけて」
ふたつのコルセットに続き、アームバインダーでも編み上げをフルクローズさせるべくかけられた言葉に従う。
「うふふ……尚美ちゃんは肩や肘の関節が柔らかいから、後手拘束全般が、綺麗に決まるのよね」
それは、水泳競技を続けてきたおかげだ。各関節が柔軟でなければ、よいスイマーにはなれない。
ともあれ、ひとりごとじみて呟いた諒子さんの手で、頂点付近から底辺にあたる縁にかけての編み上げが締め込まれていく。
ただの拘束を厳重拘束に変えるべく、手首、前腕部と、締め込みがせり上がってくる。
きつい締めつけが肘から二の腕に達すると、私の腕はまったく動かせなくなっていた。
まるで腕を1本の棒に変えられ、背負わされている感じ。
そんな状態で立たされ、拘束研究活動のため用意されている晒し柱に向かって歩かされる。
諒子さんによると、バレエヒールのブーツを履かされた足で立てるのは、特別なことらしい。
ましてや、誘《いざな》われるまま歩けるのは、特殊な訓練を受けた人だけだそうだ。
たとえそれが、歩行を憶えたばかりの子どものような、ヨチヨチ歩きであっても。
そうしてたどり着いた晒し柱の前。高さ5センチほどの台の上に上がらされ、アームバインダーに閉じ込められた腕を、柱に押し当てる体勢で立たされた。
それからぶ厚く幅広のベルトで、身体を柱に縛りつけられる。
まずは、胸の膨らみの上下。セーラー服の冬生地ごしにふたつの肉塊を絞り出すようにきつくベルトを締め込まれた。
続いて、乳房を挟み込むベルトに沿わせるように、上下それぞれに追加で2本めの胸ベルト。
それで拘束が厳重なものになることを予感させられながら、私を柱に縛りつけるベルトが追加されていく。
コルセットで締めあげられたお腹のもっともくびれた部分にかけられた、貞操帯の横ベルトの少し下。横は腰骨の出っ張り付近、前は貞操帯の縦ベルトが、おしゃもじ形に膨らむあたり。
それから、太ももで3箇所。膝のすぐ下。バレエブーツの足首付近で2箇所。さらに、内部でつま先立ちを強制し、ほぼ垂直にそそり立つブーツの甲。
それでも諒子さんは飽き足らず、ネックコルセットで固定された首と、塞がれた口にあたる位置で。
数えきれないほどの革ベルトで晒し柱に縫いつけられて、頭のてっぺんからつま先まで、身じろぎすらできない状態に私は陥らされた。
言葉に続いて、身体の自由も完全に奪われた。
でも、嫌じゃない。
むしろ、嬉しい。
私は諒子さんの手できつく拘束されたくて、秘密の拘束研究会で活動しているのだから。
そして、諒子さんの目的は、私を厳しく拘束すること。
「ん、ふぅ……」
私の鼻から、甘み帯びた吐息が漏れる。
「うふふ……」
艶を感じさせる表情で、諒子さんが妖しく嗤う。
「尚美ちゃんは、拘束されるのが好きなのねぇ」
それは、諒子さんに拘束されたからだ。
どれほどきつく拘束されても、縛り手が諒子さんでなければ、私の愉悦はこれほどではないだろう。
同じように、受け手が私でなければ、諒子さんの悦びは半減するに違いない。
バレエヒールのブーツを履かされているうえ、台に乗せられている私の身長は、ふだんより25センチほども高く、諒子さんを見下ろす状態。諒子さんは私を、顔を上向けて見上げる状況、
でもふたりの上下関係は、頭の位置とは真逆。
私は身も心も諒子さんに支配され、諒子さんは私を管理している。
そして、管理者にして支配者たる諒子さんは、私の好みを完璧に理解していた。
今はこの超厳重拘束を味わいつくしたい気持ちを読み取って、諒子さんが私から離れる。
少し離れた位置にあるソファに腰を下ろし、妖しい光をたたえた瞳で私を見守ってくれる。
そんななか、諒子さんが施してくれたきつく厳しい拘束を、私は堪能する。
堪能しながら、言葉を奪われ、晒し柱にぬいつけられて身じろぎすらできない状況に、少しずつ肉体と精神を昂ぶらせていく。
「んふ、んっ……」
口呼吸はできず、鼻から漏らす吐息が、ますます甘みを増していく。
「んっ、んうん……」
甘い吐息に、艶が混じる。
務めて平静を装い、表情を作っても、ネックコルセット上端の縁が食い込む頬は熱く火照っている。
私の昂ぶりは、諒子さんに見抜いているだろう。
「んう、んんッ……」
昂ぶりを見抜かれた私の口中に詰め込まれた諒子さんのショーツは、汚れた股布が舌に当たるよう調整されており、常に諒子さんの味を感じ続けている。
「んふぅ、んうッ……」
それだけではない。昂ぶりがどんどん強くなり、口中の唾液が染み込んだショーツを無意識に舌で押してしまうと、染み出した液体から諒子さんの匂いが鼻に抜ける。
「んぅうん……」
それでくぐもってうめいたのは、苦痛からではない。
身体の内側からも諒子さんに支配されているのだと感じて、昂ぶりがいっそう強くなったのだ。
そこから、超厳重な拘束と諒子さんの支配に、急速に酔い始めた。
「んふ、んっんッ」
艶めいてうめきながら、どんどん昂ぶる。
「んぅ、んむんッ」
昂ぶることで、ますます酔わされていく。
「んむぅ、んぅうッ」
貞操帯の奥で、肉壺が火照る。
そこに生まれた熱が蜜となり、媚肉から吐き出される。
「んんッ、ぅむんッ」
反応の変化を見て、私が充分昂ぶったと判断したのだろう。高揚も露わな表情で、諒子さんがソファーから立ち上がった。
その左手には、充電式の電動マッサージ器。
「うふふ……」
瞳に情欲の火を灯し、諒子さんが私の前に立つ。
左手に電動マッサージ器を持ったまま、右手を胸に伸ばす。
「んっ、うあ……」
セーラー服の生地ごしにピアスが貫く乳首に触れられて、妖しい感覚がゾワッと広がった。
「んう、うん……」
それで甘みを帯びたうめき声をあげたところで、諒子さんの指が艶めかしく動き始めた。
厚い冬生地ごしに、人差し指と親指でピアスつきの乳首をつままれる。
「んッ、んぅん……」
外から諒子さんの指で軽く潰され、内側はから硬い金属のピアスに刺激され、乳首の妖しい感覚が、はっきりとした快感に変わる。
「んぅ、んむぅ……」
乳首に生まれて乳房に広がる快感に、喋れない口で甘くうめく。
「んむっ、んんぅ……」
繰り返し乳首をつままれて、乳房に広がった快感が背すじを駆け上がる。
「んぅう、んむッ……」
次第に大きくなっていく快感をやり過ごそうと身体に力を込めるが、超厳重な拘束は身じろぎすら許してくれない。
拒絶も懇願も抵抗もできない状況で、私は快感に酔わされる。
そこで諒子さんが、玩弄のやり方を変えた。
ぷっくり膨れて屹立してきた乳首を、人差し指で叩くように掻かれる。
「んッ、んふんッ……」
新たな刺激で乳首の快感がいっそう快感が大きくなり、私を蕩けさせようと押し寄せる。
気持ちいい、気持ちいい。
諒子さんの手できつく厳しく拘束され、諒子さんによってピアスを嵌められた乳首を諒子さんに弄られるのは、とても気持ちいい。
ふだんから諒子さんに管理されている身を襲う、絶対的な支配下で与えられる倒錯の悦びに、私は酔わされ蕩けさせられる。
(で、でも……)
指でセーラー服ごしに乳首を苛める諒子さんのもう一方の手には、充電式の電動マッサージ器が握られている。
そのことを思い出したところで、諒子さんの右手の指が、私に見せつけるように電動マッサージ器のスイッチを押し込んだ。
とたんに始まる、激しい振動。
ヴヴヴヴヴ……。
モーターの力で震える器具が、ゆっくりと下ろされる。
ヴヴヴヴヴ……。
猛烈に震える振動球が、プリーツスカートごしに貞操帯に押し当てられる。
ヴヴヴヴヴ……。
「んうッ、んぅんッ!」
媚肉を封印する金属板に伝わる振動が、濡れそぼつそこに大いなる快感をもたらし、くぐもった嬌声をあげてしまった。
「んむっ、んんんッ!」
貞操帯の金属板に触れる媚肉から、直上の陰核《クリトリス》から、さらには肉壺からも、圧倒的な快感が背すじを駆け上がる。
駆け上がる途中で乳首の悦びと一体になり、蕩けかけた頭に押し寄せる。
「んんっ、ぅむむッ!」
昂ぶりも高まりも、もう抑えられない。
抑えようと思うことすらできない。
それほどの快感に襲われ、快楽の虜になり、私は前後不覚の状態に陥ってしまった。
「うむッ、んぅんんッ!」
ひと息に押し上げられる。
「んんッ、んっむうッ!」
あっという間《ま》に押し上げられる。
そして、たどり着く。
女の子だけがたどり着ける性の高み、絶頂。
その世界に、諒子さんの手で連れてきてもらい――。
「んむッ、ンぅんんんッ!」
ひときわ艶めいてうめき、私は迷うことなく恍惚の世界に飛び込んだ。
(了)
「尚美《なおみ》ちゃん……明日、忘れないでね」
帰宅しようとしていた私を呼び止め、諒子《りょうこ》さんが耳打ちした。
拘束研究会とは、1年先輩の諒子さんと私が所属しているサークルである。
もっとも研究会を称しているが、学園に認められているわけではない。そもそも、認可を得るための届けを出してもいない。
私を拘束することが好きな諒子さんと、諒子さんに拘束されることが好きな私が、秘密にやっているふたりだけのサークルだ。
明日は、そんな拘束研究会の、ひと月に一度の活動日なのだ。
「忘れるわけがありません……私も楽しみにしてますから」
私が答えると、諒子さんが妖しい光を宿した目を細めた。
紺のブレザーと白いブラウス、青系チェック柄のプリーツスカート姿の諒子さんが、革の拘束具をテーブルの上に並べていく。
数えきれないほど大量の、ぶ厚く頑丈そうな革ベルト。
縁に長いベルトが2本、バックルつきの短いベルトが2本、合計4本のベルトが設えられた二等辺三角形の革袋は、腕の拘束具、アームバインダー。
被装着者にバレエのポワントのようなつま先立ちを強制する、バレエヒールのブーツ。
革のコルセットと、セットの首の拘束具、ネックコルセット。
コルセットからガーターで吊るタイプの、スパンデックス製のストッキング。
そのようすを横目で見ながら、私も準備を始める。
鞄から取り出したのは、中学時代の制服。襟とカフスに3本の白いラインが入った濃紺のセーラー上衣とプリーツスカートを、諒子さんが拘束具を並べるテーブル横のソファーの上に置いた。
諒子さんは拘束マニアであると同時に、制服フェチでもある。拘束研究会の活動のときは、自分だけでじゃなく、私にも制服を着用させる。
もちろん、嫌じゃない。
むしろ、倒錯感が増して気持ちが昂ぶる。
だからこそ私は、セーラー服が似合うよう当時の髪型と髪色を維持し続けているのだ。
自分自身で用意したセーラー服を見て期待感を高めつつ、着てきた服を脱いで下着姿になる。
上下お揃いのブラとショーツ。
一般女性も身に着けるふつうの下着のあいだには、ウエストをきつく締めあげくびらせるコルセット。
ショーツの下には、コルセットを締めた状態で、ウエストのもっとも細いところに横ベルトがかかる貞操帯。
その貞操帯の鍵は、諒子さんが保管している。鍵を管理する諒子さんの許しなく、勝手に貞操帯を外すことはできない。
それはすなわち、私の意思ではコルセットを脱ぐことも、緩めることもできないという意味でもある。
貞操帯を施錠する南京錠の小さな鍵ひとつで、私の日常は諒子さんに支配されている。
ブラとショーツを脱いで貞操帯に触れ、あらためてそうと認識させられていると、拘束具を並べ終えた諒子さんが私の前に立った。
「うふふ……」
薄く嗤って、諒子さんが私の胸に手を伸ばす。
「ん、あ……」
学園に進学したのを機に水泳競技を引退して以来1サイズ大きくなった胸の頂、乳首を穿ち貫くピアスを弄られ、甘みを帯びた吐息を漏らしたところで、諒子さんが貞操帯の鍵を取り出した。
カチリ。
小さな金属音ともに、南京錠が外される。
「ああ……」
長らく密封されていた性器が外気に触れる感触に、思わず吐息を漏らしてしまう。
「ふっ、はあ……」
コルセットをくつろげられて、久しぶりに大きく息を吸って吐く。
とはいえ諒子さんの目的は、貞操帯とコルセットから、私を解放することではない。
ふだん使いのコルセットが外されてすぐ、諒子さんが用意していた革製コルセットがお腹に巻きつけられた。
バスクと呼ばれる金具が前側で留められ、コルセット上端がバージスライン(乳房の下端)にあたるよう位置を調整されて、背中側で編み上げ紐の締め込みが始まる。
促されてソファーの背もたれに手を置いた直後、ギューッとひと絞り。
「うッ」
きつい締め込みにうめくが、それで諒子さんの手が止まることはない。
指で編み上げ紐の弛みを直して、さらにひと締め。
「うぅ……」
眉間に皺を寄せて苦悶しても、諒子さんは赦してくれない。
私のふだん使いのコルセットはフルクローズ(編み上げが閉じ切った状態)21インチ(約52センチ)で、貞操帯の横ベルトも、その寸法に合わせて誂えられている。
だが、諒子さんの革製コルセットは、フルクローズ18インチ(約45センチ)。拘束研究活動用の貞操帯は、それに合わせて作られている。
つまり、ギリギリまで締め込んだサイズからさらに約7センチ、ウエストを締めあげないと拘束研究活動を開始できないのだ。
「くっ、ぅう……」
きつい、きつい。
単にお腹が苦しいだけじゃなく、胸郭の下半分が締められることで、深く大きく息を吸い込めなくなる。
それでも締め込みは終わらず。
「あと少し、厳しくいくわよ」
「は、はい、諒子さ……うッ!?」
さらにきつく締めあげられて、ようやく革コルセットがフルクローズ。編み上げ紐が固く結ばれた。
きつい。そして苦しい。
とはいえ、いまだ装具のひとつが着けられただけ。
諒子さんの手による設えは、まだまだこれから。
厚手のスパンデックスのストッキングを履かせ、ずり落ちないようコルセットに設えられたガーターで吊って、諒子さんが妖しく輝く目で私を見る。
続いて着けられるのは、ネックコルセットだ。
ぶ厚く硬い革で仕立てられたそれは、私の乳房の上端から首を経て、口を塞いで鼻のすぐ下までを覆うタイプ。
装着されたら顎を固定されまともに喋れず、縦にも横にも首を動かせなくなり、視線以外の意思疎通の手段を奪われる代物だ。
「うふふ……」
そのネックコルセットが着けられる前に、諒子さんがいじわるく嗤って自分のショーツを脱ぎ始めた。
「尚美ちゃんのために、昨日から穿き替えてないのよ」
そして脱いだショーツを、汚れた股布が表になるよう丸め、私の顔前にかざした。
「アーンして」
たぶん、いやきっと、口中に詰めるつもりだ。
そうと知っていながら、ためらうことなく口を開くと、股布が舌に当たるようショーツを口中に押し込まれた。
「あッう……」
うめいたところで、諒子さんがネックコルセットを手に取った。
身体の前面に――もちろん口にも――硬くぶ厚い革が押し当てられる。
そして背面で始まる、肩甲骨のあたりから後頭部にかけての編み上げの締め込み。
通常なら首が絞まりすぎないよう調整しながら締め込まないといけないが、このネックコルセットは私に合わせて誂えられた専用品。フルクローズまで締めるだけで、呼吸や血流を阻害することなく、私の首を固定することができる。
そのことを知っている諒子さんが、いっさいの迷いなくネックコルセットの編み上げを締めあげる。
締められるほどに、首の自由が失われる。
顎の動きも制限され、口中に詰め込まれたショーツと相まって、私から言葉を奪っていく。
「ン、んう……」
発したはずの言葉が意味不明なうめき声にしかならない状態に陥ったところで、首も完全に固定され、ネックコルセットの装着が完了した。
残る拘束具は、無数のベルトとアームバインダーに、バレエヒールのブーツ。
テーブルの上の拘束具を見ていると、諒子さんが私の背後に背もたれのない椅子を置いた。
「これに腰かけて」
言われて、きつく苦しいコルセットにお腹を圧迫されないよう、背すじを伸ばしたまま落ち着いた動作で椅子に腰を下ろす。
そこで、バレエヒールのブーツを手に、諒子さんが私の前にしゃがみ込んだ。
諒子さんに促され、ウエストと首のコルセットと同様、私専用に誂えられたブーツに足を差し込む。
すると、まだブーツを履いていないほうの脚より、膝の位置が20センチほど高くなった。
その差が、バレエブーツのヒール高。
そうと実感する私のもう一方の足にもブーツを履かせ、諒子さんが縁に長短4本のベルトが設えられた二等辺三角形の革袋、アームバインダーを手に取った。
開口部のある底辺から頂点付近にかけての編み上げをくつろげながら、諒子さんが私の背後に回り込む。
腕を拘束されことを覚悟した私は、命じられるまでもなく両手を背中に回してまっすぐ揃える。
その腕に、革袋が被せられた。
二等辺三角形の頂点の行き止まりに指先が当たり、底辺が二の腕の半ばに達したところで、縁に設えられていたベルトが、右腋の下から身体の前面に引き出される。
頑丈そうなベルトが胸の上を斜めに引き上げられ、首の横を通って左肩から再び背中へ戻されて、短いベルトのバックルに留められる。
それから、もう1本の長いベルトが左腋から引き出され、最初のベルトと交差し胸の上にX字を描いて右肩から背中。
こちらも短いベルトのバックルに留められると、私の腕を閉じ込めるアームバインダーは、けっして下にずり落ちなくなった。
両手はぶ厚い革袋の中で、まったく使えない。これで、腕の自由は奪われた。
とはいえ、アームバインダーの拘束は、ここからが本番だ。
「胸を張り、肩を後ろ側にすぼめながら、左右の肘どうしをくっつけて」
ふたつのコルセットに続き、アームバインダーでも編み上げをフルクローズさせるべくかけられた言葉に従う。
「うふふ……尚美ちゃんは肩や肘の関節が柔らかいから、後手拘束全般が、綺麗に決まるのよね」
それは、水泳競技を続けてきたおかげだ。各関節が柔軟でなければ、よいスイマーにはなれない。
ともあれ、ひとりごとじみて呟いた諒子さんの手で、頂点付近から底辺にあたる縁にかけての編み上げが締め込まれていく。
ただの拘束を厳重拘束に変えるべく、手首、前腕部と、締め込みがせり上がってくる。
きつい締めつけが肘から二の腕に達すると、私の腕はまったく動かせなくなっていた。
まるで腕を1本の棒に変えられ、背負わされている感じ。
そんな状態で立たされ、拘束研究活動のため用意されている晒し柱に向かって歩かされる。
諒子さんによると、バレエヒールのブーツを履かされた足で立てるのは、特別なことらしい。
ましてや、誘《いざな》われるまま歩けるのは、特殊な訓練を受けた人だけだそうだ。
たとえそれが、歩行を憶えたばかりの子どものような、ヨチヨチ歩きであっても。
そうしてたどり着いた晒し柱の前。高さ5センチほどの台の上に上がらされ、アームバインダーに閉じ込められた腕を、柱に押し当てる体勢で立たされた。
それからぶ厚く幅広のベルトで、身体を柱に縛りつけられる。
まずは、胸の膨らみの上下。セーラー服の冬生地ごしにふたつの肉塊を絞り出すようにきつくベルトを締め込まれた。
続いて、乳房を挟み込むベルトに沿わせるように、上下それぞれに追加で2本めの胸ベルト。
それで拘束が厳重なものになることを予感させられながら、私を柱に縛りつけるベルトが追加されていく。
コルセットで締めあげられたお腹のもっともくびれた部分にかけられた、貞操帯の横ベルトの少し下。横は腰骨の出っ張り付近、前は貞操帯の縦ベルトが、おしゃもじ形に膨らむあたり。
それから、太ももで3箇所。膝のすぐ下。バレエブーツの足首付近で2箇所。さらに、内部でつま先立ちを強制し、ほぼ垂直にそそり立つブーツの甲。
それでも諒子さんは飽き足らず、ネックコルセットで固定された首と、塞がれた口にあたる位置で。
数えきれないほどの革ベルトで晒し柱に縫いつけられて、頭のてっぺんからつま先まで、身じろぎすらできない状態に私は陥らされた。
言葉に続いて、身体の自由も完全に奪われた。
でも、嫌じゃない。
むしろ、嬉しい。
私は諒子さんの手できつく拘束されたくて、秘密の拘束研究会で活動しているのだから。
そして、諒子さんの目的は、私を厳しく拘束すること。
「ん、ふぅ……」
私の鼻から、甘み帯びた吐息が漏れる。
「うふふ……」
艶を感じさせる表情で、諒子さんが妖しく嗤う。
「尚美ちゃんは、拘束されるのが好きなのねぇ」
それは、諒子さんに拘束されたからだ。
どれほどきつく拘束されても、縛り手が諒子さんでなければ、私の愉悦はこれほどではないだろう。
同じように、受け手が私でなければ、諒子さんの悦びは半減するに違いない。
バレエヒールのブーツを履かされているうえ、台に乗せられている私の身長は、ふだんより25センチほども高く、諒子さんを見下ろす状態。諒子さんは私を、顔を上向けて見上げる状況、
でもふたりの上下関係は、頭の位置とは真逆。
私は身も心も諒子さんに支配され、諒子さんは私を管理している。
そして、管理者にして支配者たる諒子さんは、私の好みを完璧に理解していた。
今はこの超厳重拘束を味わいつくしたい気持ちを読み取って、諒子さんが私から離れる。
少し離れた位置にあるソファに腰を下ろし、妖しい光をたたえた瞳で私を見守ってくれる。
そんななか、諒子さんが施してくれたきつく厳しい拘束を、私は堪能する。
堪能しながら、言葉を奪われ、晒し柱にぬいつけられて身じろぎすらできない状況に、少しずつ肉体と精神を昂ぶらせていく。
「んふ、んっ……」
口呼吸はできず、鼻から漏らす吐息が、ますます甘みを増していく。
「んっ、んうん……」
甘い吐息に、艶が混じる。
務めて平静を装い、表情を作っても、ネックコルセット上端の縁が食い込む頬は熱く火照っている。
私の昂ぶりは、諒子さんに見抜いているだろう。
「んう、んんッ……」
昂ぶりを見抜かれた私の口中に詰め込まれた諒子さんのショーツは、汚れた股布が舌に当たるよう調整されており、常に諒子さんの味を感じ続けている。
「んふぅ、んうッ……」
それだけではない。昂ぶりがどんどん強くなり、口中の唾液が染み込んだショーツを無意識に舌で押してしまうと、染み出した液体から諒子さんの匂いが鼻に抜ける。
「んぅうん……」
それでくぐもってうめいたのは、苦痛からではない。
身体の内側からも諒子さんに支配されているのだと感じて、昂ぶりがいっそう強くなったのだ。
そこから、超厳重な拘束と諒子さんの支配に、急速に酔い始めた。
「んふ、んっんッ」
艶めいてうめきながら、どんどん昂ぶる。
「んぅ、んむんッ」
昂ぶることで、ますます酔わされていく。
「んむぅ、んぅうッ」
貞操帯の奥で、肉壺が火照る。
そこに生まれた熱が蜜となり、媚肉から吐き出される。
「んんッ、ぅむんッ」
反応の変化を見て、私が充分昂ぶったと判断したのだろう。高揚も露わな表情で、諒子さんがソファーから立ち上がった。
その左手には、充電式の電動マッサージ器。
「うふふ……」
瞳に情欲の火を灯し、諒子さんが私の前に立つ。
左手に電動マッサージ器を持ったまま、右手を胸に伸ばす。
「んっ、うあ……」
セーラー服の生地ごしにピアスが貫く乳首に触れられて、妖しい感覚がゾワッと広がった。
「んう、うん……」
それで甘みを帯びたうめき声をあげたところで、諒子さんの指が艶めかしく動き始めた。
厚い冬生地ごしに、人差し指と親指でピアスつきの乳首をつままれる。
「んッ、んぅん……」
外から諒子さんの指で軽く潰され、内側はから硬い金属のピアスに刺激され、乳首の妖しい感覚が、はっきりとした快感に変わる。
「んぅ、んむぅ……」
乳首に生まれて乳房に広がる快感に、喋れない口で甘くうめく。
「んむっ、んんぅ……」
繰り返し乳首をつままれて、乳房に広がった快感が背すじを駆け上がる。
「んぅう、んむッ……」
次第に大きくなっていく快感をやり過ごそうと身体に力を込めるが、超厳重な拘束は身じろぎすら許してくれない。
拒絶も懇願も抵抗もできない状況で、私は快感に酔わされる。
そこで諒子さんが、玩弄のやり方を変えた。
ぷっくり膨れて屹立してきた乳首を、人差し指で叩くように掻かれる。
「んッ、んふんッ……」
新たな刺激で乳首の快感がいっそう快感が大きくなり、私を蕩けさせようと押し寄せる。
気持ちいい、気持ちいい。
諒子さんの手できつく厳しく拘束され、諒子さんによってピアスを嵌められた乳首を諒子さんに弄られるのは、とても気持ちいい。
ふだんから諒子さんに管理されている身を襲う、絶対的な支配下で与えられる倒錯の悦びに、私は酔わされ蕩けさせられる。
(で、でも……)
指でセーラー服ごしに乳首を苛める諒子さんのもう一方の手には、充電式の電動マッサージ器が握られている。
そのことを思い出したところで、諒子さんの右手の指が、私に見せつけるように電動マッサージ器のスイッチを押し込んだ。
とたんに始まる、激しい振動。
ヴヴヴヴヴ……。
モーターの力で震える器具が、ゆっくりと下ろされる。
ヴヴヴヴヴ……。
猛烈に震える振動球が、プリーツスカートごしに貞操帯に押し当てられる。
ヴヴヴヴヴ……。
「んうッ、んぅんッ!」
媚肉を封印する金属板に伝わる振動が、濡れそぼつそこに大いなる快感をもたらし、くぐもった嬌声をあげてしまった。
「んむっ、んんんッ!」
貞操帯の金属板に触れる媚肉から、直上の陰核《クリトリス》から、さらには肉壺からも、圧倒的な快感が背すじを駆け上がる。
駆け上がる途中で乳首の悦びと一体になり、蕩けかけた頭に押し寄せる。
「んんっ、ぅむむッ!」
昂ぶりも高まりも、もう抑えられない。
抑えようと思うことすらできない。
それほどの快感に襲われ、快楽の虜になり、私は前後不覚の状態に陥ってしまった。
「うむッ、んぅんんッ!」
ひと息に押し上げられる。
「んんッ、んっむうッ!」
あっという間《ま》に押し上げられる。
そして、たどり着く。
女の子だけがたどり着ける性の高み、絶頂。
その世界に、諒子さんの手で連れてきてもらい――。
「んむッ、ンぅんんんッ!」
ひときわ艶めいてうめき、私は迷うことなく恍惚の世界に飛び込んだ。
(了)
Comments (0)